ソフトバンク・JR西日本・JR九州の3社協業による専用線サービスが2026年2月より提供開始

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この2026年2月より、ソフトバンクとJR2社による高品質な法人向け専用線ネットワークサービスが新たに提供開始されました。今回はこの鉄道沿線に敷設された光ファイバーを活用した低遅延・高信頼なイーサネット専用線サービスについて見ていこうと思います。

1、サービス概要

ソフトバンク株式会社、JR西日本光ネットワーク株式会社、JR九州電気システム株式会社の3社は協業して鉄道沿線の光ケーブルを活用した専用線ネットワークサービスを2026年2月より提供開始致しました。

この専用線サービスは、ソフトバンクが全国で展開しているWDM(波長分割多重)ネットワークと、JR西日本光ネットワークおよびJR九州電気システムが保有するWDMネットワークを相互接続して提供されます。

鉄道沿線ルートの光ケーブルを使うことで、比較的直線的な経路を取りやすく、一般的な通信ルートより物理的な伝送距離を短縮できる点が特徴です。

提供形態はイーサネット専用線で、ユーザーごとに帯域を専有できる「帯域保証型」のサービスとして案内されています。 データセンター間接続や、クラウド・インフラ用途など、高い信頼性と安定性が求められる用途の企業を主なターゲットとしています。

参考:ソフトバンク公式サイト発表

2、本専用線サービスの料金イメージ

今回の専用線サービスについて、具体的な月額料金表などは現時点で公開されておりません。おそらく「利用形態に応じた個別見積り」の法人向けサービスになるとみられます。

JR西日本光ネットワークやJR九州電気システムが既に提供している同種のイーサネット専用線では、区間や帯域(10Gbps/100Gbps)、芯線数などに応じて料金を個別算定する形が採られています。

一般的に、10Gbps・100Gbpsクラスの広域専用線は、通常の法人向けインターネット回線よりも高額ですが、その分、帯域保証やSLA(サービス品質保証)が付く「基幹インフラ」向けの価格帯となるのが一般的です。

このサービスも同様に、通信キャリアやデータセンター事業者、大企業のネットワーク部門が導入を検討することを前提にした料金設計になると考えられます。

3、対象となる主な顧客層

このサービスは、特に以下のような法人・団体の利用が想定されています。

  • データセンター事業者、クラウド事業者(東京・大阪と九州など地方データセンターを結ぶ広帯域・低遅延回線が必要な企業)
  • 通信キャリア、ISP、電力・金融・製造など、自社で大規模ネットワークを運用する企業
  • 災害対策・バックアップ拠点を西日本や九州に分散したい企業・官公庁

近年、電源や土地の制約から、データセンターを首都圏から地方へ分散する動きが強まっており、とくに九州エリアへの分散ニーズを背景に今回の協業が打ち出されています。

4、本サービスを利用するメリット

この専用線サービスを利用するメリットは、大きく「低遅延」「高信頼性」「柔軟なネットワーク設計」の3点にまとめられます。

  1. 低遅延な通信
    ・・・鉄道沿線の比較的直線的なルートを活用することで、物理距離が短くなり、その分、往復遅延が小さくなります。 金融取引やオンラインゲーム基盤、リアルタイム分析など、遅延がシビアなシステムに向きます。
  2. 高い信頼性・可用性
    ・・・ユーザーごとに帯域を専有する帯域保証型の専用線のため、他のユーザーのトラフィックに左右されにくく、通信品質が安定します。 さらに、キャリアダイバーシティ構成を取れるよう設計されており、障害時にも迂回ルートを確保しやすい構成が可能です。
  3. 柔軟なネットワーク設計
    ・・・ソフトバンク、JR西日本光ネットワーク、JR九州電気システムそれぞれのWDMネットワークを相互接続することで、用途に応じて複数のルート選択ができます。 たとえば、大阪〜福岡〜九州各地のデータセンターをまとめて結ぶ広域バックボーンとして活用するといった設計がしやすくなります。

5、今後の予想・期待されること

今回の専用線サービスは、まずは西日本〜九州エリアを中心に展開されますが、データセンターの地方分散や、AI・IoTなどデータトラフィックの増加を背景に、さらなる拠点拡大や帯域メニューの拡充が期待されます。

すでにJR西日本光ネットワークやJR九州電気システムでは10Gbps/100Gbpsのサービスメニューが用意されており、将来的には400Gbps級など、より大容量の伝送サービスが検討される可能性もあります。

また、こうした鉄道インフラと通信インフラを組み合わせる取り組みは、今後、他地域のJRグループや私鉄へ波及することも考えられます。

企業側にとっては、東京一極集中から脱却した「マルチリージョン」構成を作りやすくなり、日本全体のデジタルインフラ強化につながることが期待されています。

それでは今回はこの辺で。

お読みいただきありがとうございました。